高宮純子は、常に自分の生き方を模索する現代女性である彼女は病院の一人娘として若い医師、有坂を夫に迎えようとする両親から逃れるため、田沢湖への旅に出た純子が東畑勉と知り合ったのは、旅先の田沢湖であった純子がハンドバッグを盗まれて無一文となったところを勉は、親切にしてくれた警察への手配と旅館への送りをした上に、一万円を貸してくれた純子はその勉の住所を書いたメモを帰京の車中で失くしてしまった東京に戻った純子は、お金を返すべく、うろ覚えの記憶をたよりに懸命に勉を探し始めた新聞広告まで出したが、ついに勉は見つからなかった二ヵ月たったいま、純子は自分の心の中に勉に対する慕情が芽生えつつあるのを知った更に一ヵ月後、二人は偶然国立競技場の前で再会した勉は小ざっぱりした背広姿であった田沢湖で出逢った時の勉の姿からは想像も出来なかった勉は、ある大学の天文学の研究所に籍をおいていた翌日、純子は勉のアパートをたずねた胸はずませる純子の前に現われたのは、意外にも女だった純子は強い失望と心の傷みを感じたが、その女が勉の妹の玲子と判ってホッとする自分がおかしかった勉は純子が自分のために東奔西走したことに恐縮し、その行為に言い知れぬ感動を覚えた純子もまた“星”を語る時の勉に、少年のような純粋さを感じた星の美しくまたたく夜、二人はぎこちなく結び合った翌日、勉は純子の父に結婚を申し込もうとするが・・・
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